《从认知语言学的角度浅析鲁迅作品》包含了作者在认知语言学方面的研究成果。通过对鲁迅作品进行考察,从宏观角度来比较东西方以及中日语言文化的差异。通过认知语言学和记忆模型对《狂人日记》以及《阿Q正传》两篇小说作了深入分析,考虑纵向的接受阅读与横向的共生阅读,了解读者的大脑活动,也探索作家在创作时的大脑活动。
2009年2月に中国に渡り、複数の大学で日本語教育に取り組んだ。また、中国関連の学術研究にも興味があり、文学では日本ゆかりの作家魯迅を考察し、言語では東アジアと欧米の言葉について東西で比較を試みた。しかし、本書では、それらを全体的にまとめるために、テキストをマクロに分析する場合に、どのような準備が必要になるのか考えていく。
テキスト分析では、ドイツの作家トーマス?マンを題材にして文理の共生について考えた「計算文学入門」(2005)という自著がある。一般の読みと特殊な読みからなるテキスト分析で、前者は読者の脳の活動(受容)を表し、後者は作家の脳の活動(共生)を考察している。こうした分析からできる組み合わせは「シナジーのメタファー」と呼ばれる。トーマス?マンの場合は、彼の文体であるイロニーとファジィの相性のよさから作家の脳の活動をファジィとし、「トーマス?マンとファジィ」というシナジーのメタファーを作った。
同様の手法でLのストーリーに適応可能な作家を探した。もちろん誰もが知っている国を代表する人がいい。資料も豊富で皆が関心を持っているからである。魯迅は清朝末期に日本に留学して医学を学び、帰国後は精神的な病に苦しむ中国人民を作家として治療した。魯迅の作品は、しばしば教材にも取り上げられ、今なお読み継がれている。
魯迅のテーマは馬虎であり、文体は従容不迫である。馬虎とは詐欺をも含む人間的ないい加減さのことをいい、従容不迫とは落ち着いていて慌てる様子がないことをいう。
魯迅は記憶についても言及がある。小説を読みながら阿Qや狂人のことを考えているうちに、あるとき記憶とカオスの結びつきに気がついた。そこで受容の際に「馬虎と記憶」という解析の組みを作り、共生については「記憶とカオス」という組みを想定した。
収録されている論文は、これまでに学会で発表をし、有識者の方たちと意見を交わしたものである。第一章の「『狂人日記』から見えてくるカオス効果について」は、2013年10月に中国の重慶市にある四川外国語大学で開催された中日国際シンポジウムで取り上げられている。第二章の「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』」は、サピアの言語論を適用したテキスト分析であり、文理の共生を目指した内容になっている。
また、若い頃から技術文の翻訳に従事し、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」というレポートを作成している。さらに、53歳のときに健康管理士の講座に参加して、健康についても考えを深めることができた(日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員認定(2015年3月))。こうしてテキストの共生といえる実績が一応整った。そこでテキストをLに分析するシナジーの分析法について言語を問わず説明するために日本語の論文を英訳し、中国語や日本語以外の研究者にも参考になるように配慮した。
花村嘉英
2015.7
1.「狂人日記」から見えてくるカオス効果について
-認知言語学からの考察-…………………………………………………………………1
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary”
—Consideration from cognitive linguistics—…………………………………………27
2.サピアの『言語』と魯迅の「阿Q正伝」…………………………………………………47
“Languange” of Sapir and “The True Story of Ah Q”
of Lu Xun……………………………………………………………………………………77
付録1 文学と計算のモデル …………………………………………………………………97
付録2 「シナジーのメタファー」の詳細なプロセス………………………………………99
あとがき…………………………………………………………………………………………102